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   金持ち兄さんの日記 > 2008年08月の日記 > 「介護貧乏」という言葉がいずれ普及するはず…

「介護貧乏」という言葉がいずれ普及するはず…


介護貧乏…今はまだあまり見聞きすることがない言葉ですが、僕は、そのうちきっと、日本の誰もが知っている言葉になるんじゃないかと思っています。




僕は、かんぽの養老保険に加入していて、それが来年満期になるので、満期保険金:100万円の受取人を僕から母に変更し、それを将来の老後資金に当ててもらおうかと考えていました。


しかし、「税金の面から考えても、わざわざ受取人を母に変更するのではなく、僕自身が満期保険金を受け取った方がいい」との説明をかんぽの人から受けたので、予定を変更し、母に満期保険金を渡すのを止めることにしました。



このことを伝えるため、先日、僕は母に電話しました。




: 「前に話してた、満期保険金の話だけど、俺が受け取った方が良いとの説明を受けたから、やっぱり、お母さんを受取人にするのは止めて、俺が受け取ることにするわ」

: 「ええっ!来年になれば貰えると思って、楽しみにしてたのに…」


: 「貰えるって…。俺が保険料の支払いをしてきた保険の積立金を、お母さんの老後資金のために渡すって話なんだから、それを、まるで自分が積み立てたお金のように考えてガッカリされても、困るんだけど…」



母 : 「そのお金を○○(妹)の結婚費用に当てようと思ってたのに…」


: 「…はぁ!?なに考えてるんだよ!!」




母の老後資金の足しになるようにと思って渡そうとしていた満期保険金を、母が妹の結婚費用に当てようとしてたことを知って、僕は、激怒しました。




: 「だって、結婚費用の援助くらいしないと、親として何もしてあげられないでしょ…」

: 「親として何かしてあげるとか、してあげられないとか、そういうカッコイイことを言ってる場合じゃないやろう!!今、うちにはお父さんがいなくて、お母さんはほとんど貯金もない。それに年齢的にも、あと何年後に仕事が続けられなくなるのか分からない。そんな状況なんだよ!?」



: 「…それは、わかっちょるけど…」

: 「いや、全然、状況が分かってない!アイツ(妹)だって、俺がお母さんの老後資金として渡した100万円を、そのまま自分の結婚費用にと渡されたって、嬉しいずがない。第一、お母さんの老後の生活については、アイツだって心配なんだ!」




「これから、自分があと30年も生きる
可能性があるって、本当に分かってるの!?」




事の重大性に気付いていない母に苛立ち、僕は、親父の借金で揉めていた頃を思い出すくらい、母に対して怒鳴っていました。電話を切った後で頭痛がしたのは、親父と電話で話していたとき以来です。




上に書いた話を読んでいただければ分かるように、僕の母は、お金に関しては子供のような人です。自分が現在置かれている状況、そして、もの凄い少子高齢化によって、



将来、親の介護費用に苦しむ「介護貧乏」が増えること



なんて、考えてもいません。僕の母に見えているのは、ほぼ「今だけ」なのです。





今後、僕の母が平均寿命の85歳まで生きたとすると、あと30年は人生が続くことになります。



その途中で、母を雇用してくれていた姉夫婦はこの世からいなくなるでしょう。そしてもちろん、今現在、母の周りで、母を支えてくれている人達もいなくなります。

働きたいと思っても働き口が見付からず、また、働きたい気持ちはあっても、自分の肉体が労働についていけなくなる可能性もあります。


人間である限り、加齢による衰え、そして、やがてくる死からは逃れることができません。




この、厳しいですが避けられない現実と向き合いながら、自分の人生計画を立てなければならないのに、残念ながら、僕の母は「分かっていない」のです。



もしかしたら、母を雇用してくれて、様々な面で母を援助してくれている姉夫婦が亡くなるような時になって、初めて、母は、自分の置かれている状況の危うさに気付くのかもしれませんが、それでは遅いことは分かりきっています。

ですから、母や姉夫婦が元気で、まだ「自分で何とかできるうち」に、自立した老後を過ごせるように資金計画を立てておく必要があるのです。




だから、妹や僕を喜ばせたいのであれば、親として何とか等と言ってカッコつけるのではなく、まずは、



母自身が自立した老後をすごせる状態になること



これをいち早く達成して欲しいのです。




僕や妹は、お金の問題については、



問題の「根っこ」を解決しない限り



いつか必ず、困ったことが訪れることを、父の借金を通して身に染みて知っています。



ですから、経済的に苦しくなるであろう母の老後を解決する見通しが立たないのに、親としてカッコがつかないからと、100万円もの結婚費用をあげるような「バンドエイド的な処置」をしてくれても、全く喜べないのです。



今回の件で、「介護貧乏に陥る不安」…この問題の根っこを解決しなければ、僕や妹を真に喜ばせることができないことを、母が理解してくれる日は、まだまだ来なさそうに感じました。。






この問題に絡んだメールを頂いたので、前回に引き続き、日記上でコメントしてみたいと思います。





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こんにちは。いつも拝見させてもらって、参考にさせてもらっています。
私は、熊本の天草在住の27歳の女です。



兄が13歳上、姉が10歳上にいます。最近、とても不安で、夜も寝れない時があります。


父は70歳で痴呆が出ており、今は、ディケアを週2回通わせています。


母は64歳で去年の7月に倒れて、片目は全く見えず、片目もあまり綺麗には見えない。おまけに高血圧で、上が200を超える時もあるほどで、正直、いつどうなってもおかしくないと言われています。

そんな状態なので、母は「病院は嫌だ。家にいたい。家で死にたい」と自宅にいて、最近は、家の中をチョコチョコ歩けるようになりました。



ただ、父の痴呆がちょっとずつではありますが、ひどくなってきており、医療費がかさむことも必至です。うちは、前いた家がシロアリでだめになり、9年ほど前に家を建てており、その住宅ローンも25年あります。



父の年金が月に13万程度、私は給料が10万ちょっとです。

週に4日半の出勤(観光業務をやっていて、今年から市が絡むようになり、労働規則等があり減らされました)家の状況上、2日半休みだと助かるし、フルに働くのもちょっと段々厳しいのも現実です。


ただ、社会保険等もついていない状態で、10万ちょっとが総支給というのが厳しいです。家のローンや保険等を入れると、父の年金はほんの1〜2万しか余りません。




先日兄夫婦が帰ってきましたが、子供3人(小5、小2、3歳)の子を大学まで通わせて、良い職につかせないといけない、だからお金がかかるから、親の面倒はもとより、少々の援助も無理と言われました。

兄夫婦は、東京に1戸建ての家とワゴン車(新車)を今年の3月に買っています。



私は、8年間姉のおさがりのライトバン(ホンダのアクティ)に乗って、好きなものも我慢して、休みも家の事で、友達とも遊べずに過ごしています。

ちょっとでも節約と、畑で野菜を作って(これは母に無農薬の野菜を食べさせたいというのが主ですが)いますが、最近は、親のひどくなるのを見てると、余計に不安です。



姉も、家が心配だからと(昔から母は病気でしたので)嫁にも行けずにいて、もう38歳になったので、子供を産むタイムリミットが近いということで、結婚を勧めました。

姉は結婚を決めたものの、まだ心配で踏ん切りがつかないみたいです。親の面倒は私が見るつもりです。



ちょっと先の事も心配ですが、自分の将来がもっと不安です…。

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この方も、僕と同じで、親の介護費用が自分の生活や、将来に絡んできています。まずは状況を整理したいので、分かっていることと、分からないことを書いてみたいと思います。



家族構成
父(70歳)、母(64歳)、姉(38歳)、本人(27歳)
東京 : 兄(41歳)、奥さん、子供3人(小5、小2、3歳)


収入
父 : 年金13万円程度
母 : 年金??円
姉 : ??円
本人 : 10万円程度

合計 : 23万円+α
※兄はすでに家族を持っているので、考慮せず。


支出(固定費)
住宅ローン : ??円
保険料 : ??円
合計 : 11万円程度?(父の年金はほんの1〜2万しか余りません、から判断)

支出(変動費)
不明


生命・医療保険の加入状況
不明



まず確認したいこととして、ちゃんと家計簿を付けているのかが気になりました。

今日の日記で、「お金の問題は、根っこを解決することが大切」ということを書きましたが、苦しい家計の問題の根っこを解決するためには、家計簿データがとても役に立ちます。



ファイナンシャルプランナーが作った家計簿



ファイナンシャルプランナーが作った家計簿は、有料の家計簿ソフトですが、僕が長年使っているものです。一度購入してしまえば、ずっと無償でアップデートしてくれるので追加料金がかかりません

また、30日間の試用期間があり、実際に使ってみて合わないようなら、購入せずに利用を止めればいい点も、僕が安心してお勧めできる理由です。


もし、パソコンで家計簿を付けていないという方や、いい家計簿ソフトが分からないという人は、一度、ダウンロードして利用してみることをお勧めします。




そして、今回質問してくださった方も、もし、キッチリと家計簿を付けていないのであれば、ファイナンシャルプランナーが作った家計簿をダウンロードして、試用してみることをお勧めします。

30日後に購入手続きをしなければ、料金が発生することはありませんので、安心して試してみることができます。



キッチリと家計簿をつけ、そのデータを元に「どこに家計の問題の根っこがあるのか」を調べてみて、見付かった点を集中して節約することで、家計の改善を一気に進められると思います。





そして、メール内に書かれているお兄さんの援助のことですが、お金の面では、お兄さんはいないものとして考えた方が良いと思います。



と言うのは、お兄さんはすでに家庭を持っており、奥さん・子供3人の扶養義務が生じています。

しかも、大学まで進学させたいお子さん3人がまだ小さいのに、新築の住宅ローンを組んでしまっていますから、この状態でご両親の援助資金を捻出するように頑張ると、そのシワ寄せが子供たちの人生にくる可能性はとても高いと思います。




2007年を振り返ってみた!(後半)にて、子供の教育費について書きましたが、お兄さんが既に住宅ローンを組んでしまっている現実を考えると、子供3人が大学に進むまでの今後の資金計画が相当厳しくなることは、ほぼ確実だと思います。

もしかしたら、子供3人を大学にいかせるために、今住んでいる自宅を売却しなければならない状況がくるかもしれません。



今は、自分の家庭だけを考えているように見えて、身軽でうらやましく思えるかもしれませんが、それは「今だけの話」です。

あと、5年後か10年後かは分かりませんが、将来、経済的に苦しくなるのは、もしかしたら、まだ独身のアナタよりも、既に家族を持っているお兄さんの家庭かもしれません。



こういった事情もありますので、「お金の面においては、お兄さんはいないもの」として考えた方が良いと思います。




それでは、気になった点を一つずつ見ていきたいと思います。



まず、既に組んでしまっている住宅ローンですが、手元に残る現金のことを考えれば、売れるものなら売った方が良いと思います。もちろん、人に賃貸するプランでも構いません。



ただし、この意見はお金の面だけで考えた場合であって、住宅があることで得られる精神的な面は無視しています。

お母さんが病院ではなく、ご自宅で最期を迎えたいと希望されていて、実際、少し歩けるようになったりと、病気の症状が改善されてきていることを考えると、やっぱりここは、住宅は確保した方が良いのかもしれませんね。


また、団体信用生命保険に加入していると思うので、お父さんがいざという時には、住宅ローンの返済を免除されるのではないでしょうか?もしそうであれば、なおさら、住宅はこのまま持っておいた方が良いかもしれませんね。




続いて、アナタの世帯収入ですが、これは、アナタやお姉さんが同居しているのか(各人に家賃が発生しているのか)、お姉さんの収入と、お母さんの年金収入がどれくらいあるのか、といった点が分からないので、意見のしようがないというのが本音です。



もし、ご両親、お姉さん、質問者さんが同居されていて、それぞれに何らかの収入があるのであれば、家計の状況(収入状況)としては、そう悪くはないと思います。

きっちりと家計簿を付けて、何にお金がかかっているのかを知り、少しずつ支出を節約していくことで、家計はだいぶ改善されるのではないかと思います。




職種別・30歳の給料明細&年代別 平均貯蓄額のデータを見れば分かるように、ほとんどの場合において、支出の大部分を占めるのは家賃(住居費)です。

これが各人に発生している状態なのか、発生していない状態なのかで、家計の状態は大きく変わってきます。

もし、お姉さんやアナタがご両親と別居していて、個別に住居費が発生しているようなら、まずは、ご両親と同居することで、住居費をガッツリと節約した方が良いと思います。





続いて、社会保険に加入しておらず、総支給が10万円程度で苦しいという話ですが、今よりすぐに収入を増やそうと思うと、転職するか働く時間を増やすか、それとも、副業をするか、やれることは限られてきます。

これについては、僕が意見することではなく、質問者さんの「選択の問題」だと思うので、僕から申し上げられることはありません。





ちなみに、「手っ取り早く儲かる」みたいな話がインターネット上にはゴロゴロ売られていますが、そういった話は「全部ウソ」だと思って下さい。


もちろん、ウソではない情報もあるのかもしれませんが、そういう情報を時間とお金をかけて見付けること自体が非効率です。




ネットで販売されている情報は全てウソ。
もしくは、役に立たない。だから、近づかない。




儲けることよりも、減らさないことが大切です。

本来、余裕資金がある人がこういったリスク商品に手を出すべきなのですが、残念なことに、現実は逆で、余裕資金がない人や経済的に苦しい人ほど、なけなしのお金をウソの情報にツッコンでしまいます。



こういう危ない商品に手を出すのは、お金に余裕ができてからで良いんです。失くしてもいいお金で試すのです。間違えても、「少ないお金を大きくしたい」と考えて、手を出すべき商品ではありません。


よく、情報商材の購入についてどう思うか?という内容のメールが来ますが、これが僕の考えです。忘れないようにしてください。





話を元に戻しますが、収入の面は「選択の問題」で何も言えないにしても、社会保険がかかっていない状態がいつから続いているのかは、将来訪れる現実に深く関わっていますから、ちゃんと対策を考えておく必要があると思います。


正直なことを言えば、30歳になるまでに、社会保険のついた正社員での仕事を探して欲しいというのが本音です。



以前、ワーキングプアの話を何度かしましたが、ワーキングプアと深い繋がりがあるキーワードとして「30歳」という年齢があげられます。


ワーキングプアに陥ってしまった多くの人が、「20代の頃は、そう苦労もせずに次の仕事が見付かっていたのに、30歳を境に、急に仕事が見付からなくなった」と言っていたのが、強く印象に残っています。



もちろん、結婚して家庭に入るという選択肢もありますが、こちらは相手が要ることなので、就職・転職のように、自分の思うようにはいきませんからね。

結婚と独身、どちらに転ぶにせよ、30歳までに、社会保険がかかっている正社員になっておくと安心だと思います。



正社員になって、家にいない時間が長くなると心配だということもあると思いますが、この点については、例えば、Yahoo!オークションなどでソフトバンクの旧モデルを安い値段で購入し、家族をホワイト家族24にしてしまえば、何かあった時には、ご両親といつでも無料で連絡がとれるので、質問者さんの時間も増えるのではないかと思います。


ご両親には、メール機能は必要ないでしょうからS!ベーシックパック:315円は必要ないでしょう。つまり、ホワイトプラン:980円×2台=1960円の料金で済みますし、検討してみる価値があるのではないかと思います。


ご両親にソフトバンク携帯を持たせれば、いつでも、どこでも、24時間無料で家族全員に連絡がつきますから、もし、勝手に外出するようなことがあっても、安心ではないでしょうか。





ご両親の健康状態を考えると、漠然と将来が心配になるかもしれませんが、僕がみる限りでは、まだまだ、深刻な経済状態にはなっていないと思いました。




・ 既に、一戸建てが確保してあり、家賃が発生しない。
・ お父さんがもしもの時には、団信によって支払いが弁済される?
・ ご両親共に、年金の支給開始を迎えている。
・ 姉妹共に、負債(借金)がない。
・ お姉さんは結婚予定で、質問者さんもまだ若い(これが一番大きい)。




アナタがまだ若いこと、そして、借金や家庭など、まだ何も背負っていない(決まっていない)ことがかなりプラスになっています。



これがもし、母子家庭で既に2人の子供がいるとか、借金があるとか、旦那が働いてくれないとか(笑)、こういう状態になっていたのであれば、「今だけに限らず、将来についても、経済的に相当に厳しい」と覚悟が必要だと思いますが、幸い、そうはなっていません。



年齢から考えても、そして、まだ独身であるという状況から考えても、人生についての色々な計画の変更が「自分の意思だけでできる状態」です。

まずは家計簿を付ける事によって、正確な家計の状況や資産状況を知り、漠然としている・曖昧となっているものをハッキリとさせましょう。

そして、お金の問題の根っことなっているものを一つ一つ解決していくのです。




大切なのは、知るのが怖いと思って、現実から逃げないことです。

いつでも、現実をちゃんと見るようにして、気付いていない振りをしている事や、曖昧な部分を無くしておくようにしましょう。


アナタは僕と同じ世代です。今の年齢で、お金のことを真剣に考えるようになった僕らの将来は明るいと思います。普通の人よりも、2歩・3歩先をいっていると考えても良いと思います。


ですから、不安で夜も眠れないほど考えることはないのです。僕もアナタもまだ若い。これから、自分はもちろん、家族の人生も、どんどん良い方向に変えていきましょう!





…という感じでメールの回答をしてみましたが、今日の日記を見て、親や自分の老後に不安を持った方は多いのではないかと思います。


今日、メールを下さった方は、まだ独身でご両親の介護をされている方でしたが、真の恐怖は、子供の教育費、住宅ローン、親の介護費用の板ばさみに遭い、経済的に行き詰る現役世代の人が増えることです。



財政難に苦しむ国による社会保障が段々と削られていくことによって、



介護貧乏



と呼ばれる人が、10年後、20年後となるにつれて、ドンドン増えていくのではないかと思います。




介護保険制度では、なるべく自宅で介護をするようにとの方向だと聞いていますが、実際に介護・看護の現場に当たっている人の日記を読むと、それがどれだけ大変なことであるのか想像できます。

一人でも多くの人に、ご両親がまだ元気なうち、もしくは、アナタ自身が元気なうちに、将来の介護資金や介護計画について、真剣に考えて欲しいと思います。




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