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暗闇にさす一筋の光「死のうとしていた僕を救ってくれた人」


前回の日記から、だいぶ間が空いてしまいました。楽しみに?して下さった方には、申し訳ないと思っています。ごめんなさい。



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さて、それでは今日の日記です。


「人生で、一番の暗黒時代」だった当時のことを思い出すと、正直、かなりテンションが下がります。



当時の彼女にも多大な迷惑をかけた事については今でも後悔していますし、家の借金問題についても、今の知識や情報、そして、経験を持ってすれば、もっと簡単に短期間で解決できたはずです。




そして、実現する事のなかった「もう一つの人生」についても考えてしまいます。



彼女と別れ話をした日、



「こんな事にならなかったら、私たち…結婚していたかもしれないね…」



こう彼女が話していたのを覚えています。





もし、父親の借金問題がなく、平穏な毎日を過ごせていたら、彼女がこの時に言ったとおり、僕らは結婚していたかもしれません。


そして今頃は、子供が何人かいて、僕はお父さんになっていたでしょう。

彼女と、そして、彼女との間にできた子供達と、とても幸せな家庭を築けていたような気がします。




しかし、この「もう一つの人生」を選択していた場合、今の僕は存在しませんでした。


そしてもちろん、金持ち兄さんへの道も生まれる事はなかったと思います。なぜなら、父親の借金癖に対するリスクが、金持ち兄さんへの道を作るキッカケになったのですから…。




今まで書いたように、彼女と結婚し、子供達の父親となっていたであろう「もう一つの人生」の存在について意識はしていますが、じゃあ、「彼女との別れを、今でも後悔しているのか?」と聞かれれば、それは「否」です。




なぜなら、



彼女と別れて独りになることが、
僕が成長するための最後の試練だった



と思うからです。




当時、父親を失おうとしていて不安な時でも、僕にはまだ、彼女という「頼れる(甘えられる)存在」がありました。


この存在がなくなることで初めて、僕は完全に、誰にも頼る・甘えることができなくなり、すべての問題を自分で解決するしかない状態になりました。


この時ほど、自分自身が成長し、「強く」なれた機会はないと思います。

最後の試練を乗り越えて、僕はやっと、「甘ったれ」ではなくなったのです。




今まで説明してきたように、僕が自立した大人になるためには、彼女との別れは、避けては通れない道だったと思いますから、別れた事については後悔はないのです。

…と言うより、むしろ、「自分の人生において、必要な出来事だった」と感じています。





…ただ、もちろん当時は、こういう風にプラスには考えられませんでした。


それでは、僕に訪れた「真の暗黒時代とは、どういう出来事があった時期だったのか?」の続きをお話したいと思います。




僕の家へのトドメとなる、400万円もの父親の借金が発覚した7月以降は、父親と母親を離婚させることと、お金のことばかりを考えるようになり、他人はもちろんのこと、彼女のことを考える余裕はありませんでした。



7月以降は、とても小さなことが理由で、彼女とケンカをする事が増え、その結果、彼女を泣かせてしまったことが何度もあります。


7月以前にまで、彼女と仲良くしていて、幸せだった頃が、まるで幻であったかのような状態でした。


この頃の事を思い出すと、今でも心が痛みます。。




この頃、彼女とのケンカが増えた原因は、僕の心の不安定さやイライラからきていました。


7月に父親の借金が発覚し、父と母の離婚が成立した1月まで、約6ヶ月(180日)。


この間の1日1日は、もの凄く長く感じ、何もかもが上手くいかない状態に、僕は苦しんでいました。




「今の僕だったら、どうしていただろうか?」


と考えた場合、「おそらく、すぐに、父親をバッサリ切っていただろうな」と思います。


この理由については、自由には責任が伴う親・兄弟、親族との絶縁は、100%悪いことではないを見ていただければ、分かると思います。




当時がそうであったように、離婚をお願いする僕に対して、父親は同意をしなかったかもしれませんが、今の僕は経済的に自立していますし、知識や情報もありますので、淡々と離婚を進めていったと思います。


まずは、父親以外の家族を僕のところに呼び寄せるか、引越の手配をして別居させるなどした後、弁護士や司法書士を通して、感情を入れることなく、事務的に離婚を進めていったはずです。




当時の僕は、人間的に未熟で弱く、経済的にも自立しておらず、知識や情報もありませんでしたから、こういった方法を採ることができませんでしたが、



父親を素早く切れなかったことが、僕のミスだった



と、今では感じています。



そうすれば、関係のない彼女を巻き込むこともなく、また、母や妹、僕についても、もっと早く、再スタートができていたと思うからです。

もっと早く、父親自身に「(自分の)自由に対する責任をとらせるべきだった」と感じています。





少し話がそれましたが、7月〜11月頃までの間は、離婚をめぐって、父親とケンカをした記憶しかありません。実家に電話をかけては、父親に離婚を迫っていました。



ただ、12月のクリスマスについては、彼女との思い出があります。



その年のクリスマスに、僕は彼女に下記の指輪をプレゼントしたのです。




GUCCI YG GGリング




ちなみに僕は、気軽に指輪をプレゼントするのが何か嫌で、お付き合いさせて頂いた女性の中で、後にも先にも、指輪をプレゼントしたのは、この彼女にだけです。


欲しいと言われたネックレスやバック、シティホテルでのディナー等はプレゼントできても、指輪だけは、どうしても、できませんでした(笑)。



古臭い考え方かもしれませんが、たとえ、薬指以外につけるとしても、結婚するくらいの気持ちがないと、指輪はあげたくないんですよね。



僕の中では、恋愛は恋愛、結婚は結婚で、別のものだと考えています。


もちろん、恋愛の延長線上に結婚があるわけですが、じゃあ、「付き合った人と必ず結婚を意識するのか?」と聞かれれば、少なくとも、僕の今までの恋愛では、そうではありませんでした。


恋愛や結婚に対する考え方は、人によって色々な考え方や価値観があると思いますが、僕の場合はどちらかと言うと、「結婚してもいいか、確認をするための期間が恋愛」という意識が強い感じがします。


ですから、「付き合っているうちに結婚したい気持ちが芽生えてくるか、芽生えてこないかは、相手との相性や期間などによる」といった風です。




こういう、僕にとって特別な意味を持っている指輪を彼女にプレゼントしたのは、もう言わなくても分かると思いますが、僕が彼女との結婚を真剣に意識していたからです。



父親と母親の離婚が進んでいないことについては、このクリスマスの時も悩みとしてありましたが、母に離婚するように説得をし、妹には、離婚関係の書類をそろえさせて、着々と準備を進めていたので、この問題がいつまでも解決しないとは、僕は、考えていませんでした。



この頃の僕は、自分自身がどうしようもない奴になっている事を自覚していましたが、そんな僕を支え続けてくれた彼女には、本当に感謝をしていたので、父親との問題が解決したら、結婚をして、一生、彼女の面倒をみようと思っていました。




…しかし、この想いが実現することはありませんでした。

僕の想いとは裏腹に、クリスマスに指輪をプレゼントして、ひと月も経たないうちに、彼女との別れがやってくるのです。





その別れは、父親と電話でケンカをした時に起こりました。

どういう理由で父親と電話でケンカをしたのかは覚えていませんが、ケンカをしたことだけは、ハッキリと記憶しています。



酒を飲んで酔っ払いながら、借金に困っている僕たちをまるで他人事のように観ている父と話すことは、僕にとって、苦痛以外の何事でもありませんでした。



その状態が始まったのが7月で、大学を休学して、僕が引きこもり始めてから、もう半年が経とうとしていましたから、正直、だいぶ精神的におかしくなっていたと思います。




彼女と別れることになったその日、父親との電話を切った後、僕はいつものように、イライラが収まらない状態になっていました。


彼女は、そういう僕を気遣って、お洒落な焼肉屋さんに連れて行ってくれたのです。




しかし、そのお店で僕は、彼女とケンカをしました。


「いつものように、ケンカをした」という表現の方が正しいかもしれません。この頃の僕は、くだらない事で彼女に突っかかっては、ケンカをするということを繰り返していましたから(苦笑)。



お店でケンカをした僕は、怒って、出された食べ物に全く手をつけず、お店を出ました。

何が理由でケンカになったのかは覚えていませんが、それくらい、くだらない理由だったのだと思います。





お店を出て帰る途中、彼女の思いがけない一言で、僕は、我を失うほど腹を立てました。その一言とは、僕の女性関係を疑う発言でした。



結婚を意識して、指輪をあげるほど想っていた彼女に疑われた事に、僕はショックを受け、ものすごく腹を立てました。激しい口論になった末、僕は、



自分の携帯電話を真っ二つに折り、
そのまま、道端に投げ捨てました。




携帯電話を折ってしまえば、もちろん、携帯電話は壊れますから、もうメモリーを確認することはできず、自分からは、誰とも連絡をとることができません。


しかし、そうしても良いくらい、「彼女は、僕にとってすべて」だったのです。「彼女に疑われるくらいなら、他の人と連絡を取れなくなってもいい」と思っていました。




ここまでの行動をされて、それでも疑う人はさすがにいませんから、彼女は泣きながら、女性問題について疑ったことを僕に謝りました。




…しかし、その時の僕は、彼女を許しませんでした。「許す(心の)余裕がなかった」と言った方が正確かもしれません。




自分が言ったことが間違いだったと、心から反省し、泣きながら謝ってくる相手に対して、「絶対に許さない!」と言う…そして、「どうしても許して欲しいと言うのなら、壊れた携帯を拾ってきて、ちゃんと謝って」と、さらに彼女を追い詰めました。




僕は、なんて酷いことをしたのでしょうか。


この時のことを思うと、今でも心が痛みます。「最低のことをした」と反省しています。




結局、この日に僕は、勢いで、彼女と「もう別れる!」と言い、彼女を帰らせました。



ただ、今までにも別れ話が出たことは何度かあったので、僕の中では、そこまで本気ではありませんでした。





しかし、この日に僕が「別れよう」と言った後に、彼女が「分かった」と言った時の目から、



なんだか、決意に満ちたような印象を受けました



そこですぐに彼女に謝れば良かったのですが、愚かだった僕は、彼女の目に不安を感じながらも、そのまま彼女を帰してしまいました。





それから数日が経ち、携帯を壊した事によって、誰とも連絡がとれない僕は、携帯電話ショップに行きました。そして、新しい携帯電話を購入し、とりあえず、家族や彼女とは連絡が取れるようになりました。


早速僕は、彼女に「今日、新しい携帯電話を買ってきたよ。この前は、あんなにひどい事をしてごめん」とメールをしました。



…いつもなら、その日、もしくは、翌日までには返事がきていたのですが、その時は、2日経っても返事がきませんでした。


僕は「おかしいな?」とは思っていましたが、彼女が怒っているのも最もだと思い、彼女からの返事を待ちました。



…すると、数日後に彼女からメールが届きました。


「やっと彼女の怒りが収まったか?」とホッとしながら、携帯メールの内容を見ると、



「私はもう、兄さんとよりを戻す気はないから」



と書いてありました。




このメールを外で歩いている時に確認した僕は、今までにない彼女の強い雰囲気のメールに、ただ呆然と、その場に立ちすくみました。




そして、そうしているうちに、僕は彼女とケンカをした日に、彼女が見せた「決意に満ちたような目」のことを思い出していました。



あの日には、なにか不安を感じながらも、あまり気にしませんでしたが、このメールを見た時には、あの時の彼女の目が「何の決意に満ちた目だったのか」がハッキリと分かりました。


そうです。彼女はあの時、僕と本当に別れる「決心」をしたのです。





このことに気付いた僕は、呆然と突っ立っている状態から我に返り、すぐに彼女に電話をしました。



…ですが、彼女は電話に出てくれません。僕は焦って、その後も、何度か電話をかけましたが、しまいには留守電に繋がってしまいました。




「これでは、本当に終わってしまう」と思った僕は、約2年付き合っていて、一度も電話をしたことがない彼女の自宅に電話をしました。


一発で彼女が電話に出てくれれば良かったのですが、残念ながら、初めに電話に出たのは、彼女のお母さんでした。


2年間も付き合っていながら、一度も、彼女の親との交流もなく、電話をしたこともなかった僕が、いきなり電話をしてきたことに、彼女のお母さんはビックリしている様子でしたが、動揺しながらも、彼女に電話を繋いでくれました。




その時も、彼女にあの日のことを謝って、彼女と寄りが戻るように必死に訴えましたが、彼女の中ではもう決心が固まっている様子で、「何を言われても、どう謝られても、別れるという決意を変えることはない」といった感じでした。


焦りに焦った僕は、「じゃあ、別れることは仕方ないけど、とりあえず、会って話をしよう。2年も付き合ってきて、このまま電話で終わりなんて、あまりにも悲しい」と言って、なんとか、彼女とのもう一度会うチャンスを得ることに成功しました。




今思えば、ここでキッパリと別れておけば、僕がこれ以上に苦しむことはありませんでした。




女性が別れに強気になる時には、
「それなりの根拠」がある可能性が高い。

そして、その根拠として最も考えられることは…




今考えれば、すぐにでも思い浮かぶ事ですが、この時の僕にはこれが分からず、「死」を考えてしまうほどに自分を追い詰めてしまう



「開いてはいけない禁断の箱」



を開いてしまうことになるのです。

(続く)




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