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金持ち兄さんの日記 > 2008年01月の日記 > 高校時代の恩師に会いに行った!
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今年の初めの日記で書いたように、2007年末〜2008年初めにかけて、地元の宮崎に帰りました。
年末年始に帰ったのは本当に久しぶりで、また、今後はいつ帰れるか分からないので、いろいろと地元でやりたいと思っていたことを済ませたり、懐かしい人に会ってきたりと、今までにない過ごし方をしてきました。
僕が帰っでやりたかったことは、
・ 高校時代、さんざん迷惑をかけた担任教師(恩師)に挨拶にいくこと。
・ もう何年も顔を見せていない親族に、正月の集まりで顔を見せること。
・ 同級生など、懐かしい友人たちに会うこと。
この3つでした。
僕は宮崎に帰ってから、一番初めに、高校時代に2年、3年と担任をしてくれた先生に会いに行きました。
以前、自己紹介3でも書きましたが、僕は、高校時代は学校をサボってゲームセンターに通う、本当にどうしようもない高校生でした。「よく、途中で退学にならなかったなぁ」と自分でも不思議なくらいです(笑)。
ただ、話していませんでしたが、どうしようもない高校生だったのは、2年、3年のことで、1年生の時は、無遅刻・無欠席、成績はクラスで約50人中3番以内がほとんどで、全クラスの中でも成績は良い方でした。
もちろん、先生からの評価もよく、先生達との関係も上手くいっていたと記憶しています。
こういう1年生時代を過ごしたので、2年に上がってからは、普通のクラスよりも成績がいい生徒で構成されている、特別な進学クラスに移されました。
僕が落ちこぼれたのは、ここからでした。
まだ未熟だった僕は、ある教科の先生が嫌いになったことで、学校が面白くなくなり、学校に行かなくなりました。そしてもちろん、成績もドンドン落ちていきました。
ただ、いつも学校には行かずに、家に引きこもっていたという訳ではなく、「学校に行った日は、好きな先生の授業だけは出て、嫌いな先生の授業になったら、途中で学校を出てゲームセンターに行く」という、どうしようもない生活をしていました。
1年生のころと比べたら、180度逆のダメな生徒になってしまったのです。
ただし、大学に行きたいとは思っていたので、自分で参考書を買ったりして、大学受験のための勉強はしていました。学校の勉強には頼らず、独学で大学に行こうと考えていたのです。ですから、ゲームをしつつも、自分で勉強はしていました。
しかし、いくら自分で受験勉強をやっているにせよ、こんな、どうしようもない生活を送っていましたから、学校の先生からはことごとく嫌われましたし、そして、ほとんどの先生に「落ちこぼれた生徒だ」と思われていたと思います。
また、僕自身も未熟でしたから、「どうせ、俺なんて邪魔で、困った生徒だと思ってるんでしょ?」という、甘ったれでひねくれた事を考えながら、高校時代を過ごしていました。
そして、こんな感じで2年生が終わり、3年生になってからも、それまでと同じように、「好きな先生の授業だけ出て、嫌いな先生の授業はサボってゲームセンターに行く」という生活をしていました。
2年、3年と同じ担任教師でしたが、「どうせ、邪魔な存在だと思われてるだろうし、関わりたくないと思われている」と勝手に思い込み、2年生の時からずっと、この担任教師に心を開いたことはありませんでした。
…ただ、ある事がキッカケで、この担任教師に対する気持ちが変わったのです。
そのある事とは、ある日、僕が学校をサボってゲームセンターに行っていた時の出来事でした。
ゲームに夢中になっていると、僕の肩を後から「トン、トン」と叩いてくる人がいたので、その方向に振り返ると、なんと、その担任教師だったのです!!
僕はその後、当然、職員室に連れて行かれました(笑)。そして、この担任教師が話し始めるまでは、
「どうせ、『お前のような、どうしようもない生徒のおかげで、俺は散々困ってるんだぞ』みたいな説教をされるに違いない」
くらいに思っていて、「面倒くさいなぁ」と思っていたのですが、その担任教師から出た言葉は、僕がまったく予想していなかった言葉でした。
1年の時に優秀だったお前を、こんな風にしてしまったのは、
すべて、2年からの担任だった俺の責任だと思ってる。
すまない…。
実は、3年のクラス替えの話し合いの時に、
お前を進学クラス以外に移そうという話もあったんだが、
他の先生に頼んで、俺のクラスにしてもらったんだ。 |
「落ちこぼれた生徒で、邪魔な生徒だと思われている」と感じていた僕は、まったく予想していなかった先生のこの言葉を聞いて、絶句しました。。
自分のことを大切に想っていてくれた教師であり、本当なら、一番期待を裏切ってはいけない相手であったのに、僕はずっと、この担任教師のことを誤解していたのです。
この担任教師を含めて、今まで、他の先生に何を言われても動じなかった僕の心に、この言葉はグサリと突き刺さりました。
そして、「この先生は、俺のことを邪魔だと思っていたり、見捨てたんじゃなかったんだ」と気付き、感動したのです。
…しかし、このことに気付くのが遅すぎました。残りの高校生活もわずかとなっており、優秀だった頃の成績を取り戻し、その先生に恩返しをするには、もう時間がなさ過ぎたのです。
もちろん、受験のための勉強はしていましたが、ほとんどの場合、学校の勉強と受験のための勉強は、内容が異なります。
「志望校対策」という言葉があるように、その学校、その学校にあった受験対策というものが必要ですし、勉強しなければならない教科も違います。
僕が家でやっていたのは、学校の勉強とは、また違う勉強だったのです。ですから、参考書の問題は解けても、学校の勉強は相変わらずできませんでした。
こんな状態で、この先生に恩返しをしようにもできず、そのまま卒業してしまいましたが、あの時の先生の言葉、そして感動は、ずっと僕の心に残り、「いつかきっと、あの先生に、立派になった自分の姿を見せに行こう」と決めていたのです。
それで、今回の宮崎に帰ったときにやりたいことの一つに、「高校時代の恩師に挨拶に行く」というものを加えていたという訳です。
高校を卒業して以来、久しぶりに会った先生は、真っ黒だった髪の毛にちょっと白髪が混じっていて、だいぶ時が過ぎたことを感じさせられましたが、先生の人柄は、僕が高校生だった当時のままでしたし、また、当時は気付かなかった別の一面も見れました。
僕 : 「先生!お久しぶりです!」
先生 : 「おぉ〜、久しぶりじゃないか。突然、どうしたの?」
僕 : 「今は名古屋で働いているんですが、久しぶりにゆっくりとこっちに帰ってきたので、先生に挨拶に行こうと思って。高校時代、お世話になったし、さんざん迷惑もかけましたからね。当時、僕くらい先生を困らせた生徒は、いなかったんじゃないでしょうか(笑)」
先生 : 「何を言いよっとぉ!そんなのは気にせんでいっちゃが(気にせんでいいんだよ)」
僕 : 「いや、高校時代があんな風でしたから、僕は高校を卒業してから、『自分が一人前になったら、先生に会いに行こう!』って決めてたんです。もうだいぶ時間が過ぎてしまいましたが、ようやく、『一人前になれたかな』と思えるようになったので、会いにきました」
こんな感じで、まだ未熟だった僕が高校時代に言えなかったことや、考えていたこと、そして、大学を卒業し、今は会社を経営していることなど、先生に伝えたいと思っていたことを話しました。
そして、2時間くらい話し続けて、帰る時間が近づいてきたとき、僕は、一番、先生に言いたいと思っていたことを言いました。
僕 : 「先生は覚えているか分かりませんが、僕が3年のときに、いつものように、学校をサボってゲームセンターに行っているところを先生に見付かり、その後に、職員室で先生に言われて感動した言葉があるんです。覚えてますか?」
先生 : 「そう言えば、そんな事もあったね(笑)。でも俺、何て言ったかなぁ?」
僕 : 「僕はその言葉を聞くまで、先生も含めた他の教師から、『落ちこぼれで、どうしようもない奴だ。関わりたくない』と思われていると感じていたのですが、あの時の先生の言葉を聞いたとき、先生が僕を見捨ててはいなかったこと、そして、僕の可能性を信じてくれていた事に気付いたのと同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
先生はあの時、ろくでもない僕に対して、『一年の時に優秀だったお前をこんな風にしてしまったのは、全て、2年からの担任だった俺の責任だと思ってる…』と、おっしゃってくれたんです。
僕はこの言葉を聞いたときからずっと、一人前になったら、先生に顔を見せに行こうと思っていました。
どうしようもない僕を見捨てず、また、僕の可能性を信じてくれていた先生のおかげで、僕はここまで上って来れたんだと思います。本当にありがとうございました」
先生 : 「いや、それは俺のおかげとかではなくて、当時から、俺にそう思わせるだけの潜在的な力がお前にあったからだよ。きっと。だから、俺もそういう風に感じたんだと思う。これからも頑張りなよ!」
この言葉を聞いた僕は、また感動しました。お世辞であっても、恩師からこういう言葉がいただけることは、本当にありがたいことだと思います。
僕はこの言葉を聞いて、これからも先生の期待を裏切らないように、頑張って生きていこうと思いました。恩返しに行ったつもりが、また新たに、先生に恩をもらってしまったような感じでした(笑)。
そして、「先生に会いに行って、本当に良かった」と、心の底から思いました。
僕もそうでしたが、人間は誰でも、未熟なせいで、誰かに迷惑をかける時があるものだと思います。その時にお世話になった恩師に、アナタも会いに行ってみてはいかがでしょうか?
大人になって会いに行くことで、当時は気付けなかった恩師の人柄や魅力に気付き、そして、人生の教えや勇気、これから生きていくためのパワーをもらえるかもしれません。
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